大村はま記念国語教育の会

 

 

信州上田大会は引き締まった内容で終わる

2019年10月19日、上田市立第二中学校(酒井秀樹校長)を会場に、信州上田大会が無事に開催された。信濃川一帯は台風19号の大きな被害を被り、金沢新幹線も一時は不通になるなど、開催が危ぶまれた中ではあったが、実行委員会の強い意志と冷静な判断、丁寧な対応により、堂々たる大会となった。復旧作業などのために出席できなかった方もあった。到着が大幅に遅れる方もあった。郵便や宅配便の遅れで資料が一部間に合わなかったりもした。しかし研究大会の内容自体はそれで薄まったりすることはなく、かえって引き締まった空気が心に残るものとなった。

信州上田大会の報告は、本会会報「はまかぜ」第43号にまとめられ、2月に発行された。

 

第4回大村はま奨励賞

 藤井美幸氏(岩手県)に

力のこもった実践研究の中から慎重、厳正な審査の結果、第4回大村はま奨励賞は藤井美幸氏に贈られることが決まった。実践研究のタイトルは「インクルーシブ教育をふまえた主体的な学びを実現する単元学習 ―多様な学習者が対等に学習に参加する古典入門単元の実践―」信州上田大会で発表、授与が行われた。受賞後、藤井氏の落ち着いたスピーチが経験の深さと実践の深さを伝えていた。

この実践については、5月発行の「はまかぜ」44号に概要を掲載する予定である。

 

第5回大村はま奨励賞 募集中

詳しくは大村はま奨励賞のページへ

 

2020年度研究大会は

東京都大田区立石川台中学校で11月15日

大村はま先生の最後の勤務校であった大田区立石川台中学校で、再び研究大会が開催される。詳細は後日発表するが、ゲスト講演は英語教育研究者、鳥飼玖美子氏となる予定。鳥飼氏は2019年12月、本会事務局長の苅谷夏子、社会学者の苅谷剛彦との共著『ことばの教育を問いなおす ―国語・英語の現在と未来―』(ちくま新書)を出されたばかり。この新書の中心の柱は大村はまである。

 

《 考えるヒント52

長い間、興味をもっていて、その興味が子どもに移っていったような感じです。子どもの興味が私の興味になったり、私のものが子どもの興味になったりして、どっちがどっちということはない、単元は両方の興味に支えられていくという気がいたします

『大村はまの国語教室3』より

 《考えるヒント》はどんどん更新されますが、古いものは「大村はまのことば」のページに加えられていきます。思考をぐらりと揺らすことばに出会っていただけますように。

大村はま記念国語教育の会は、2005年、大村はまの死去の後、その業績と思想に学び、検証し、実践に結びつけたいと念じた仲間が結成した研究団体です。初代会長は倉澤栄吉氏、現在の会長は湊吉正氏で、会員は全国各地に、およそ250人ほどいます。2013年には、イギリスにロンドン勉強会も発足しました。

教育の現場は社会の変化を受けて、実にさまざまな課題を抱えています。多くの教員が、仕事に忙殺されながら、それらの課題を前にして苦闘しているというのが現実です。大村はまという先達に注目して考えていくことによって、一つの「ぶれない軸」を見出すことができます。そういう軸を持って現実に向かっていくことで、子どもを育てる仕事を一歩一歩進めていきたいと考えています。

この会の主な事業は次の通りです。

・研究大会の開催
・会報「はまかぜ」(年3回)の発行
・各地の勉強会への助成、協力
・大村はま奨励賞の授与
・本ウェブサイトの運営
・その他

「ことばを育て人を育てた国語教師・大村はま」の実践に学ぼうという方を歓迎します。
年会費は4000円(入会金不要)で、入会資格は問いません。
入会のお問い合わせは下記事務局までどうぞ。

大村はま記念国語教育の会事務局  hokokugo@gmail.com

学びひたり
教えひたろう
優劣のかなたで。

出典:大村はまの遺作「優劣のかなたに」

知の達人としての大村はま先生

大村はま記念国語教育の会会長 湊 吉正

大村はま先生の歩まれた足跡、達せられた境地を表現する一例として「知の達人」という言葉が想起されます。大村はま先生は、生涯、生徒たち一人一人をすぐれた言語生活者に育て上げることを目指されながら「教えること」の経験を積み重ねられることを通して、「知の達人」に到達されました。  大村はま先生は、また一面から見れば「教育的英知の体現者」ともいうべき存在でありました。それだけに、大村はま先生から私たちが学び取るべきことは、私たち一人一人の学び取る姿勢に応じて、大海のように無限に広がっているように思われます。  大村はま記念国語教育の会の事業として、全国各地の研究会において、大村研究が進められております。それらが、ともに学び合う会として実り豊かな研究集会になりますように。皆様のご参加・ご入会を期待しております。

研修の場としての本会

本会理事長 安居 總子

今いちばん心配なことは、若い人たちが「大村はまを知らない」ということばに象徴される、教育の不毛ではないでしょうか。その心配は、教員の資質向上のための教員研修のあり方を模索するという形になって表れています。だからこそ、大村はま記念国語教育の会の研修のありようが、研修の一つの形として重要な意味を持つと考えられます。「研修に参加してよかった」「なにか心の中にずっしりと重たいものが残った」「これならモチベーションを持続できそう」といった声の上がる触れあい、語り合い、学びあいの「場」としてこの会があること、そしてありつづけること。本会の意味はそこにあると自負しております。

 

本会は一般財団法人日本児童教育振興財団から助成を受けて運営されています