大村はま記念国語教育の会

 

10月19日(土)信州上田大会は予定通り実施

台風15号、19号で被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。一日も早い救助と復旧を祈ります。

10月19日(土)の信州上田大会は、予定通りに行われます。上田市の一部で千曲川の決壊があり、被害が出ましたが、上田駅や会場も無事でした。長野までの新幹線も走り始めたといいます。地元の皆さまのご尽力で、この土曜には大会を開催いたします。どうぞお集まりください。

最終的な大会案内が研究会情報のページに掲示されました。どうぞご覧の上、ふるってご参加ください。秋の信州上田の地で、ことばの教育について、考え合う会になることでしょう。

 

信州上田大会へぜひご参加を     実行委員代表 柳沢長男

大村先生は生前に何度か上田にお越しになり、国語教育の種を播いてくださいました。しかし、私たちにはそれを生かせずにきたという反省があります。そこで今年、信州上田大会を契機にもう一度、大村単元学習、ことばを育てる仕事を捉えなおしたいと考えています。大村先生が実践を通して伝えようとなさったこと、それを今の国語教室に実現するにはどうすればよいか。それを考えることを本大会の第一のねらいに据えました。

午前は実践発表とその総括。午後には谷木由利氏(旧 大村はま国語教育の会の「大村はま奨励賞」の受賞者)の研究発表と、桑原隆理事( 筑波大学名誉教授)の講演を予定しています。そのほか、授業報告やシンポジウムを組み入れることも検討中です。第4回となる大村はま奨励賞の授賞式も、この日に執り行われます。

これまでの大会のねらいを踏襲しつつ、今の教育現場に寄り添える大会になることを願っています。そのために、地元の現職の国語人の勉強会を鐘ながら、準備を進めて行こうとしています。

秋の信州のさわやかな空気の中で、実りある一日をご一緒しましょう。

 

第4回大村はま奨励賞は藤田賀史氏(徳島県)に

2018年秋の広島大会の中で、第三回大村はま奨励賞受賞者が発表された。徳島市佐古小学校教諭 藤田賀史氏である。論文のタイトルは「『ひととの出会い』を通じて心に平和のとりでを築く学習指導 ―新聞を学習材として活用して―」。藤田氏が長く集めつづけた新聞記事を生かし、原爆ドームや戦争、平和に確かな目を向けさせようとする実践であった。この研究が、原爆ドームから数キロという地で受賞発表されたのも、不思議な巡り合わせと言えよう。

広島大会では、賞状、副賞の授与が行われ、審査員を代表して浜本純逸理事が講評を話された。最後に藤田賀史氏が明るい口調でスピーチ。会場に足を運ばれたご両親を紹介なさり「良い親孝行になった」との言葉に聴衆も拍手を送った。

第4回 奨励賞受賞者あいさつ 藤田 賀史

この度は第三回大村はま奨励賞をいただき、大変光栄に思っております。鳴門教育大学の村井万里子先生に今回の応募を勧めていただき、試行錯誤を繰り返しながら執筆を進めて参りました。

私はNIE、 新聞を学習材とすることをライフワークとしております。今回、奨励賞をいただきました単元『平和のとりでを築く』においても、学習材に多くの新聞記事を用いております。単元の中で取り上げました二人の少女、梶山ヒロ子さん、佐々木禎子さんの思いに少しでも迫り、戦争を、原爆を知らない私がほんの少しでも平和に対する思いを学習者たちに芽生えさせることができたのならば、これ以上大きな成果はないと思っております。単元学習を通して、指導者、学習者が心に平和のとりでを築くには、事実を伝える新聞記事が大きな意味を持ちました。これまで記事の切り抜きを通してささやかに積み重ねてきた学習材が本領を発揮してくれたように思います。

私がNIEを面白い、ぜひ実践してみたい、と思うようになりましたきっかけは、大村はま先生が疎開先の荷物を包んでいた新聞紙を教材や手引きにし、学びたい、身の程知らずに伸びたい、という思いをもった子ども達を解放させた出来事でした。まだまだ私は未熟な実践者です。しかし現場で子ども達と向き合い、さまざまな実践を重ねることで一人一人の学習者を優劣のかなたへ導くことができれば、と常に考えています。

最後になりましたが、今日、大村はま記念国語教育の会に両親をはるばる徳島の地から連れて来ることができました。こうして受賞スピーチを聞いてもらうことができ、私は幸せです。照れ臭いですが、この場を借りて一言、お礼を言わせてください。父ちゃん、母ちゃん、ありがとう。

今回の奨励賞受賞を励みとし、さらに充実した実践を積み重ねて参りたいと思います。今後とも、先生方、ご指導よろしくお願いします。ご清聴、ありがとうございました。

 

第5回大村はま奨励賞 募集中

詳しくは大村はま奨励賞のページへ

 

《 考えるヒント52

長い間、興味をもっていて、その興味が子どもに移っていったような感じです。子どもの興味が私の興味になったり、私のものが子どもの興味になったりして、どっちがどっちということはない、単元は両方の興味に支えられていくという気がいたします

『大村はまの国語教室3』より

 《考えるヒント》はどんどん更新されますが、古いものは「大村はまのことば」のページに加えられていきます。思考をぐらりと揺らすことばに出会っていただけますように。

大村はま記念国語教育の会は、2005年、大村はまの死去の後、その業績と思想に学び、検証し、実践に結びつけたいと念じた仲間が結成した研究団体です。初代会長は倉澤栄吉氏、現在の会長は湊吉正氏で、会員は全国各地に、およそ250人ほどいます。2013年には、イギリスにロンドン勉強会も発足しました。

教育の現場は社会の変化を受けて、実にさまざまな課題を抱えています。多くの教員が、仕事に忙殺されながら、それらの課題を前にして苦闘しているというのが現実です。大村はまという先達に注目して考えていくことによって、一つの「ぶれない軸」を見出すことができます。そういう軸を持って現実に向かっていくことで、子どもを育てる仕事を一歩一歩進めていきたいと考えています。

この会の主な事業は次の通りです。

・研究大会の開催
・会報「はまかぜ」(年3回)の発行
・各地の勉強会への助成、協力
・大村はま奨励賞の授与
・本ウェブサイトの運営
・その他

「ことばを育て人を育てた国語教師・大村はま」の実践に学ぼうという方を歓迎します。
年会費は4000円(入会金不要)で、入会資格は問いません。
入会のお問い合わせは下記事務局までどうぞ。

大村はま記念国語教育の会事務局  hokokugo@gmail.com

学びひたり
教えひたろう
優劣のかなたで。

出典:大村はまの遺作「優劣のかなたに」

知の達人としての大村はま先生

大村はま記念国語教育の会会長 湊 吉正

大村はま先生の歩まれた足跡、達せられた境地を表現する一例として「知の達人」という言葉が想起されます。大村はま先生は、生涯、生徒たち一人一人をすぐれた言語生活者に育て上げることを目指されながら「教えること」の経験を積み重ねられることを通して、「知の達人」に到達されました。  大村はま先生は、また一面から見れば「教育的英知の体現者」ともいうべき存在でありました。それだけに、大村はま先生から私たちが学び取るべきことは、私たち一人一人の学び取る姿勢に応じて、大海のように無限に広がっているように思われます。  大村はま記念国語教育の会の事業として、全国各地の研究会において、大村研究が進められております。それらが、ともに学び合う会として実り豊かな研究集会になりますように。皆様のご参加・ご入会を期待しております。

研修の場としての本会

本会理事長 安居 總子

今いちばん心配なことは、若い人たちが「大村はまを知らない」ということばに象徴される、教育の不毛ではないでしょうか。その心配は、教員の資質向上のための教員研修のあり方を模索するという形になって表れています。だからこそ、大村はま記念国語教育の会の研修のありようが、研修の一つの形として重要な意味を持つと考えられます。「研修に参加してよかった」「なにか心の中にずっしりと重たいものが残った」「これならモチベーションを持続できそう」といった声の上がる触れあい、語り合い、学びあいの「場」としてこの会があること、そしてありつづけること。本会の意味はそこにあると自負しております。

 

本会は一般財団法人日本児童教育振興財団から助成を受けて運営されています