大村はま記念国語教育の会

 

2020年度研究大会は中止と決定しました

5月28日発行の「はまかぜ」44号誌上では、11月15日の東京都大田区立石川台中学校における研究大会は実施の方向とお伝えしました。その後、常任理事会は周囲の状況をつぶさに確認・検討してきましたが、以下の理由から、今年度の大会は中止とすべきとの結論に至りました。

  1. 新型コロナウィルス感染についての今後の見通しが予断を許さないこと。
  2. 東京都の感染がなかなか収束に至らない中、都内の公立中学校の施設をお借りすることが難しいこと。
  3. 会場を変更したとしても、全国から人が集まる大会を安全に運営することは困難であること。

研究大会は本会の事業の核となるものですから非常に残念ですが、どうかご理解いただきますよう、お願いいたします。

研究大会に代わる事業として、「はまかぜ」45号を拡大版冊子として発行します。

会員のみなさんの「コロナ禍のいま」の証言や提案、報告、随想などを広く集め、記録として残すことを目指します。おそらく2020年のこの感染症との戦いは歴史に残る出来事となるでしょう。しかもそれはまだまだ途中のことであります。そのただ中にあって……

  • 私たちは何を感じ、何を願ったか。何がなくなり、何が残ったか。
  • 急に3学期が途絶えた、その時…
  • 学校に行けなかった子どもたちの姿はどんなだったか。再開後の教室に笑顔は戻ったか。
  • 教育現場はどんな工夫で何をめざしたか。
  • 発見は?挑戦は?成果は?喜びは?どんな困難や不都合があったか。
  • オンライン方式の功罪は?ウェブ会議は会議をどう変えるか。
  • 顔を合わせること、一堂に会することの意味をどう受け止めたか。
  • 格差は広がってきているのか。
  • 情報の正しく読み解くことがいかに難しかったか。
  • ことばが人をいやしたり、力づけたり、励ましたり、深い感謝を伝えたりした事実。
  • ことばが人を惑わせたり、説得が難しかったりしたという事実。
  • 社会とことばという観点から考えることは。
  • グローバルな問題としてのコロナ禍と私たち。世界と私たち。   などなど

コロナ禍は世界を一変させようとしています。感染が収束しさえすればすべてが元に戻るということではなさそうです。今、私たちが課題と考えていることは、おそらくコロナ後の社会、教育、言語、コミュニケーションにおいて重要な意味を持つものとなるでしょう。そうしたことを、具体的に書き留めておかなければ、いずれ細部は失われることでしょう。些細なこと、個人的なこと、日記の抜粋なども歓迎します。すべてがコロナ禍の今の一つの証言です。

文集制作は大村はま先生の優れた業績の一つでした。大村はま記念国語教育の会会員の力が集まって、今という時代を書き残す文集となりますように、ぜひ原稿をお寄せください。

 

【 はまかぜ45号 冊子への執筆要項 】

・原稿締め切り 2020年9月15日 (締め切りが変更となりました)

・字数は2000字まで。俳句、短歌、詩のような短い作品も歓迎する。

(実践報告、ドキュメンタリーのように2000字では難しい場合はご相談ください)

・投稿の方法は下記のいずれかで

  • 事務局アドレスへのメールに添付する。 hokokugo@gmail.com

*「件名」は「はまかぜ45号投稿」で。

一太郎は不可。ワードでお願いします。

  • 事務局へ郵送

275-0013 習志野市花咲1・20・23  大村はま記念国語教育の会事務局 宛

・投稿が多数の場合など、編集は編集委員に一任させていただきます。

 

第5回大村はま奨励賞 募集中

詳しくは大村はま奨励賞のページへ

 

【考えるヒント 54】

(子どもは)ちょっとしたことで面白くなったりしますが、本当には満足していないことがいくらでもあります。また先生に面白かったか、つまらなかったかと聞かれても、だいたい中学生くらいでは、先生にこの単元はたいへんつまらないと思いました、と言ってくる元気な子どもはあまりいません。……普通は、子どもは、自分が単元によって充実したかどうか、ほんとうには、自分ではわからないのです。ですから、聞いても仕方がありません。成功・不成功は。指導者自身が本気で鋭く見るほかありません。

『授業を創る』より

 《考えるヒント》はどんどん更新されますが、古いものは「大村はまのことば」のページに加えられていきます。思考をぐらりと揺らすことばに出会っていただけますように。

大村はま記念国語教育の会は、2005年、大村はまの死去の後、その業績と思想に学び、検証し、実践に結びつけたいと念じた仲間が結成した研究団体です。初代会長は倉澤栄吉氏、現在の会長は湊吉正氏で、会員は全国各地に、およそ250人ほどいます。2013年には、イギリスにロンドン勉強会も発足しました。

教育の現場は社会の変化を受けて、実にさまざまな課題を抱えています。多くの教員が、仕事に忙殺されながら、それらの課題を前にして苦闘しているというのが現実です。大村はまという先達に注目して考えていくことによって、一つの「ぶれない軸」を見出すことができます。そういう軸を持って現実に向かっていくことで、子どもを育てる仕事を一歩一歩進めていきたいと考えています。

この会の主な事業は次の通りです。

・研究大会の開催
・会報「はまかぜ」(年3回)の発行
・各地の勉強会への助成、協力
・大村はま奨励賞の授与
・本ウェブサイトの運営
・その他

「ことばを育て人を育てた国語教師・大村はま」の実践に学ぼうという方を歓迎します。
年会費は4000円(入会金不要)で、入会資格は問いません。
入会のお問い合わせは下記事務局までどうぞ。

大村はま記念国語教育の会事務局  hokokugo@gmail.com

学びひたり
教えひたろう
優劣のかなたで。

出典:大村はまの遺作「優劣のかなたに」

知の達人としての大村はま先生

大村はま記念国語教育の会会長 湊 吉正

大村はま先生の歩まれた足跡、達せられた境地を表現する一例として「知の達人」という言葉が想起されます。大村はま先生は、生涯、生徒たち一人一人をすぐれた言語生活者に育て上げることを目指されながら「教えること」の経験を積み重ねられることを通して、「知の達人」に到達されました。  大村はま先生は、また一面から見れば「教育的英知の体現者」ともいうべき存在でありました。それだけに、大村はま先生から私たちが学び取るべきことは、私たち一人一人の学び取る姿勢に応じて、大海のように無限に広がっているように思われます。  大村はま記念国語教育の会の事業として、全国各地の研究会において、大村研究が進められております。それらが、ともに学び合う会として実り豊かな研究集会になりますように。皆様のご参加・ご入会を期待しております。

研修の場としての本会

本会理事長 安居 總子

今いちばん心配なことは、若い人たちが「大村はまを知らない」ということばに象徴される、教育の不毛ではないでしょうか。その心配は、教員の資質向上のための教員研修のあり方を模索するという形になって表れています。だからこそ、大村はま記念国語教育の会の研修のありようが、研修の一つの形として重要な意味を持つと考えられます。「研修に参加してよかった」「なにか心の中にずっしりと重たいものが残った」「これならモチベーションを持続できそう」といった声の上がる触れあい、語り合い、学びあいの「場」としてこの会があること、そしてありつづけること。本会の意味はそこにあると自負しております。

 

本会は一般財団法人日本児童教育振興財団から助成を受けて運営されています